珍しいオオバウマノスズクサの花
岡郷「一本松」バス停下の農道脇に咲いてました。私は,初めて見ました。花が馬の首にかける鈴に似ることからこの名が付きました。ラッパのように開いた口は,細い管のようになっていて奥の丸くふくらんだ部屋に通じています。花は雌性先熟で,糞や腐肉に似た匂いで小型のハエをおびき寄せ,花筒の奥の球形の部屋へと誘導します。部屋には柱頭があり,ハエは後戻りができずに,そこに閉じ込められます。その後,雄しべが花粉を出すと,部屋から脱出できるようになり,花粉をつけたハエは花から出ていくそうです。漢方で根・果実を鎮痛剤,虫や蛇の解毒剤,去痰剤に利用されていた記録があります。しかし,毒性が高く使われなくなってきているようです。薬効成分はアリストロキア酸と呼ばれています。おそらくアルカロイドの1種で,植物が昆虫などに食べられないよう草内に蓄えている物質と考えられ,食害を防いでいると考えられます。ところがこのウマノスズクサを食草とする蝶がいます。ジャコウアゲハで幼虫は赤と黒の毒々しい色をしています。ジャコウアゲハにはこの成分を体内に蓄,派手な体色で自らを毒虫として鳥などの補食者に警告をしています。まだ,つぼみがたくさんあるので,しばらくは観察できそうです。再度調べたところ,オオバウマノスズクサのようですので,訂正します。ウマノスズクサの花の根元は,鈴のように丸くなっています。写真のは,細長くなっているので,オオバウマノスズクサのようです。
関連タグ: 写真だより2009年05月 | 2009/05/27 | yamagawa1957 |