琴ノ尾岳の麓で花や野菜を生産していらっしゃる、浅井春千代さんご夫妻にお話を伺いました。

穏やかな大村湾を望む山の斜面に、みかん畑が広がっています。今はちょうど、みかんの花が満開の時期で、ジャスミンに似た爽やかな香りが辺りに漂っていました。

浅井さんご夫妻は、みかんの栽培のかたわら、花の栽培もされています。今回見せていただいたハウスの中には、百株以上のスイートピーが咲き誇っていました。もう時期は終わりですとおっしゃっていましたが、今でもハウスの中は、むせるような甘いスイートピーの香りでいっぱいでした。種から育てるスイートピーは、定植した後も、水やり、ハウス内の温度調整はもちろんの事、わき芽を摘んだり、つるが伸びできたらネットに均等に誘導をしてやったりと、その時どきで手がかかります。（ちなみに誘導のネットは、海苔養殖用の網を使われるそうです。）太陽光が花の発色に深く関わっているということも伺いました。また、昨夏の猛暑や、冬から春にかけての寒さで、せっかくの苗が枯れるなど、最近の異常気象にはご苦労も多いようです。

年間栽培される花は、他に、フリージア、ストック、スターチス、トルコキキョウ、キクなどです。別棟のハウスでは、紫を中心に、白、ピンクのスターチスが見頃を迎えていました。また、きゅうりも今、黄色い花をたくさんつけていました。ぴかぴかの朝採りきゅうりが店頭に並ぶ日が待ち遠しいです。

浅井さんちの切花や野菜は、まんてん、じげもん長与で販売されています。

～取材後記～
長与に住んでいながら、みかんの花のこんなに芳しい香りを知らずにいました。みかん畑の広がる斜面では、つい「みかんの花咲く丘」の歌を口ずさんでしまう、これこそが日本の原風景と感じました。また、ハウスの中でスイートピーの森に足を踏み入れたのも、初めての体験でしたし、様々な花の香りに囲まれて、とても幸せなひとときでした。

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　　　　　　　　浅井　春千代様
　　　　　　　　住所　長与町岡郷２２６９
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